沖縄市 地域枠設定の説明

沖縄市は、就学時に特別支援学級の申請のみならず、特別支援教育支援員配置のためにも診断書を必須としている、数少ない自治体です。多くの診断書を書きながら診療する中で、学習症のあるお子さんの対応を沖縄市内の学校と連携して行いたいと考え、令和7年度に教育委員会に意見交換会を申し込みましたが、指導主事から個人とはやりとりしない、と断られました。当院は個人経営の診療所であり、診断書は受け取るが、意見はきかない、ということであれば、必要なのは医学的意見ではなく、手続き上の紙なのだと考えられます。

この姿勢は福祉行政でも同様です。通所受給者証申請のために必要な書類として、療育に関する意見書のみならず、各種障碍者手帳や、特別児童扶養手当の受給証書でもよい、となっていますが、実際は、手帳を所持していたり、特別児童扶養手当を受給したりしていても、役所の窓口から意見書を書いてくるように言われた、と医療機関に来る方が非常に多いです。沖縄市では、診断書意見書必要数が他自治体の2倍になります。一方、当院で診断基準や障害程度から考えて診断書を書く要件に該当しないと判断した患者に対して、役所が診断書を書いてもらえる他の医療機関へ転院するよう促したこともありました。

また、うるま市障がい福祉課の担当者の説明によると、令和8年度から、沖縄市はうるま市と示し合わせて、放課後等デイサービスなどに通うための通所受給者証の支給日数を見直す基準を作りました。これは、実質的に支給日数を減らして、公費負担を減らすための施策です。当院の調査では、支給日数が減った場合、多数の子どもが家でゲームやスマホをして過ごす見通しになるという結果がでています(詳細はこちら)。担当部署が、療育がもたらすこどもへの効果や保護者の心理的・経済的負担を理解せず、あえて切り捨てるとは、虐待のリスクをあげています。さらに、就学する際に受給者証更新の手続きを付け加え、医療機関が意見書を作成する量を増やしました。意見書の中身を参考にするというよりは、手続き上必要だから提出させて、支給日数は自分たちの基準で判断するという形です。

当院の診断書作成能力は上限に達してきています。診断書の必要数が例外的に多い自治体の受け入れを続けることで、それ以外の自治体の児童を診療する時間まで減ってしまうため、これ以上の診療受け入れは困難であると判断いたしました。沖縄市周囲には、専門的な医療機関が複数あり、診断書作成に積極的な医療機関もあります。沖縄県発達障害者支援センターが作る医療機関リストなどをご参照ください。